第4回 シナリオ 緒乃ワサビ(Laplacian)




<1:自己紹介と参加の経緯>



まいどお騒がせしております。緒乃ワサビです。

アオイトリ』の貴重なお姉様成分・赤錆理沙ルートを担当しました。

初めてましての皆様は『誰だお前は!』ですよね。

そうじゃない皆様は『どうしてお前がここにいる!?』ですよね。

わかります。僕もそう思います。

普段は、Laplacianという、吹けば飛ぶような新米ブランドの代表と企画・シナリオを兼任しております。

Laplacianは、美少女ゲーム制作経験0のメンバーが集まって、2016年7月29日にデビューしました。

2016年7月29日です。

なんの日だか、わかりますでしょうか。

そうです。

アマツツミ』の発売日です。

覚えていますか? 『アマツツミ』の発売日。

どこのお店も、大変盛り上がっていましたよね。

PurpleSoftware様だけでなく、あのブランドさんや、かのブランドさんも新作を発売していました。

覚えていますか?

僕はよく覚えています。

忘れられるわけがない。

例えるなら、大国同士の核戦争に竹槍一本で挑んでしまったような衝撃でしたから。

あの日にヒッソリとデビューしたブランドが、我々Laplacianです。

ですが、不幸中の幸い。

発売日が同じだった縁でPurpleSoftwareさんと繋がりができて、その縁をたぐり寄せてこうして制作に関わることができた訳です。

人間万事塞翁が馬とはよく言ったものですね。



<2:赤錆理沙について>



理沙ルートの話に入る前に、今作の企画を担当している御影さんのコラムを一部引用します。


理沙ルートは“外伝”。
本題の奇跡の力などより、学生である主人公や、赤錆姉妹の愛情などのお話。
悪魔さんも本題を忘れて遊んだりする――予定です。
全体で見ると異色であることを前提にしています(こういうルートの担当になるとライターは遊べて楽しい)。


そうなのです。

これが構成の妙というか、異物が入っても作品の世界観が損なわれないように全体設計がなされているんです。

僕自身もこれを聞いた時に、あぁだから自分に依頼が来たのかな、と思いました。

なので理沙ルートでは、『アオイトリ』という物語の主題自体にはあまり触れず、

主人公・律の“力”や電話の悪魔の存在、小夜の毒舌など、設定の美味しいところだけを随分好き勝手に使わせて頂きました。

特に、小夜の毒舌と律への偏愛は、書いていてとても楽しかったです。





そして、本題の赤錆理沙ルートのお話。

ルートの主題は、“姉妹愛”です。

まだスーツに着られているような新任教師の姉・理沙と、
(でも実は主人公・律の初体験の相手

頭がよすぎて何を考えてるんだかよくわからない妹・美果子
(でも実は主人公・律のセックスフレンド

こんな姉妹に挟まれるという、無双状態がお話のスタート地点です。

さすがは100人斬りの主人公ですね。

美人姉妹に挟まれて、開始早々に3Pフラグがビンビンです。

もちろん3Pはあります、お楽しみに。

さて、『姉妹の話』とはいえ物語の中心は、あくまでも姉の理沙。

なので、理沙を美果子に押し負けないように描かなければいけません。

実はここで、苦労しました。



ご覧の通り、理沙は優しい顔をしています。

太ももも柔らかそうだし、おっぱいも大きいです。

こんな超絶スペックで教師になりたいとか言うんだから、きっと性格もいいんでしょう。

女神です。

どこまでも、清らかな感じがします。

だがしかし。

どこまでも清らかな人は、きっとセックスだって控え目です。

フェラチオも、お茶を濁すように亀頭の先だけツンツンして終わりですよ。

ひょっとしたら、自分のクリトリスの場所すら知らないかもしれない。

それじゃあ、いかん。

ここで困ってしまいました。

この無菌状態バリに清らかな表の顔から、裏の顔に移行するとっかかりがなかなか掴めなかったのです。

せっかく黒タイツをはいてるんだから、大股開きの大洪水で、主人公に覆い被さってくるくらいの気概を持ってもらいたい。

どうしたら理沙は、その女の顔を見せてくれるだろうか……。

そこで理沙を、いわゆる“いい先生”の像から少しずらしてキャラクターを構築しました。

具体的には、極めて個人的な事情を抱えて、大好きな律に会うためだけに教師の道を選んだ、という自己中心的な設定を作りました。

ここからグッと、理沙というキャラクターに立体感が出てきました。

『律に会うためだけに赴任してきた訳だから、多分日常シーンでも大洪水なんじゃないかな』

『授業中もあの黒タイツの奥とか、ムンムンに蒸れてしまって、とんでもないことになってるんじゃないかな』

『当然生で挿入する訳だけど、そのとき律を包み込んでくれるアソコは、果てしなく艶やかで別の生き物みたいに蠢きながら受け入れていくんじゃないかな』

と、いっきに妄想が捗るようになった訳です。

あとは個人的にも、これくらいプライベートな執念で仕事を決める人のほうが共感しやすいこともあり、理沙が自分の中で確固たる人格を持ち始めました。

結果として口調も、年上の女教師ポジションにしてはずいぶん軽めのものになりましたが、それが理沙のキャラクターをよく表しているんじゃないかと思います。

この、いわゆるテンプレートから“ズレ”を生んだことで、自分自身も急激に理沙を好きになりました。




<3:理沙ルートの見所>



見所に関しては、今僕が知っている範囲で大きくは2つ。

ずばり、演者さんの演技と、赤錆姉妹です。

実は、あきお先生が描かれる理沙と美果子のCGに関しては、途中経過こそチェック時に見ているものの、僕もまだ完成したものを見ていないのです。

ここに関しては、僕も皆さんと一緒に楽しみに待っている立場です。

さておき。

まずは、演技の部分。

体験版第二弾をプレイした方はご存じの通り、
アオイトリ』では各ルートに入ると、みんなが演劇に取り組み始めますが……。

実は理沙は、作中で抜群に演技力が高いキャラクターなのです。

それはもう、観る者を圧倒するほどに……、という“設定”のキャラクターなのですね。

なんと演じにくい設定でしょう。

この設定、演者さんにとってはさぞやりづらかろうなと、収録立ち会いのその日に気がつきました。

もっと言えば、「すごくハードルが高い設定ですよね」とご指摘頂いてから、
言われてみればそうかもしれないぞ、と思い至った有様です。

どうもすみませんでした。

ですが、理沙のCVの野々村紗夜さん、見事に演じてくれました。

作中で演じている理沙が登場するのは一部ではありますが、
演じることが本職である声優さんがどう表現したのか。

ここがまずは一つ、理沙ルートの見所になっていると思います。

そしてもう一つが、赤錆姉妹。

これは当たり前ですね。

主人公とセックスしてる姉妹がいて、しかもテーマが姉妹愛ですからね。

先に触れたとおり、3P完備。これも当たり前ですね。

情感的でグラマラスな姉・理沙と、理性的でスレンダーな妹・美果子にもみくちゃにされる3Pはさぞ気持ちのいいことでしょう。

このシーンがやってきたらどうぞ遠慮なくリビドゥーを解放してあげて下さい。

話が逸れましたが、赤錆姉妹です。

苗字に「錆」って入っているところからして、一筋縄ではいかない感じがあります。

姉は初恋の人に会うために教師になった恋愛至上主義者だし、
妹はセックスの快感すら理性的に分析してしまうくせ者です。

互いが互いの幸せを願っても、その手段が独特だったりしそうです。

そこで生まれる腹の探り合い、すれ違い、どんでん返しが、この物語を描いていて一番楽しかったところであり、一番楽しんでもらいたいところであります。

主人公が物語の最後に下す決断を、驚きを持って迎えてもらえるようにと、色々仕込みました。

是非、美人姉妹の間で板挟みになりながら最後までお楽しみ下さいませ!