<2:赤錆理沙について>
理沙ルートの話に入る前に、今作の企画を担当している御影さんのコラムを一部引用します。
“
理沙ルートは“外伝”。
本題の奇跡の力などより、学生である主人公や、赤錆姉妹の愛情などのお話。
悪魔さんも本題を忘れて遊んだりする――予定です。
全体で見ると異色であることを前提にしています(こういうルートの担当になるとライターは遊べて楽しい)。
”
そうなのです。
これが構成の妙というか、異物が入っても作品の世界観が損なわれないように全体設計がなされているんです。
僕自身もこれを聞いた時に、あぁだから自分に依頼が来たのかな、と思いました。
なので理沙ルートでは、『
アオイトリ』という物語の主題自体にはあまり触れず、
主人公・律の“力”や電話の悪魔の存在、小夜の毒舌など、設定の美味しいところだけを随分好き勝手に使わせて頂きました。
特に、小夜の毒舌と律への偏愛は、書いていてとても楽しかったです。
そして、本題の赤錆理沙ルートのお話。
ルートの主題は、
“姉妹愛”です。
まだスーツに着られているような新任教師の姉・理沙と、
(でも
実は主人公・律の初体験の相手)
頭がよすぎて何を考えてるんだかよくわからない妹・美果子
(でも
実は主人公・律のセックスフレンド)
こんな姉妹に挟まれるという、無双状態がお話のスタート地点です。
さすがは100人斬りの主人公ですね。
美人姉妹に挟まれて、開始早々に
3Pフラグがビンビンです。
もちろん3Pはあります、お楽しみに。
さて、『姉妹の話』とはいえ物語の中心は、あくまでも姉の理沙。
なので、理沙を美果子に押し負けないように描かなければいけません。
実はここで、苦労しました。
ご覧の通り、理沙は優しい顔をしています。
太ももも柔らかそうだし、おっぱいも大きいです。
こんな超絶スペックで教師になりたいとか言うんだから、きっと性格もいいんでしょう。
女神です。
どこまでも、清らかな感じがします。
だがしかし。
どこまでも清らかな人は、きっとセックスだって控え目です。
フェラチオも、お茶を濁すように亀頭の先だけツンツンして終わりですよ。
ひょっとしたら、
自分のクリトリスの場所すら知らないかもしれない。
それじゃあ、いかん。
ここで困ってしまいました。
この無菌状態バリに清らかな表の顔から、裏の顔に移行するとっかかりがなかなか掴めなかったのです。
せっかく黒タイツをはいてるんだから、大股開きの大洪水で、主人公に覆い被さってくるくらいの気概を持ってもらいたい。
どうしたら理沙は、その女の顔を見せてくれるだろうか……。
そこで理沙を、いわゆる“いい先生”の像から少しずらしてキャラクターを構築しました。
具体的には、極めて個人的な事情を抱えて、大好きな律に会うためだけに教師の道を選んだ、という自己中心的な設定を作りました。
ここからグッと、理沙というキャラクターに立体感が出てきました。
『律に会うためだけに赴任してきた訳だから、多分日常シーンでも大洪水なんじゃないかな』
『授業中もあの黒タイツの奥とか、ムンムンに蒸れてしまって、とんでもないことになってるんじゃないかな』
『当然生で挿入する訳だけど、そのとき律を包み込んでくれるアソコは、果てしなく艶やかで別の生き物みたいに蠢きながら受け入れていくんじゃないかな』
と、いっきに妄想が捗るようになった訳です。
あとは個人的にも、これくらいプライベートな執念で仕事を決める人のほうが共感しやすいこともあり、理沙が自分の中で確固たる人格を持ち始めました。
結果として口調も、年上の女教師ポジションにしてはずいぶん軽めのものになりましたが、それが理沙のキャラクターをよく表しているんじゃないかと思います。
この、いわゆるテンプレートから“ズレ”を生んだことで、自分自身も急激に理沙を好きになりました。