~ 開発コラム 「第1回」 / 「第2回」 / 「第3回」 / 「第5回」 / 「第6回」 ~
 
~目次~
1.インタビューコラム「CG編」
2.インタビューコラム「背景編」
 
 
■インタビューコラム「CG編」
 
グラフィッカーの仕事は単純に色を塗ることです。
ですが、その“色を塗る”ということはそのゲームの世界観に彩をのせてゆく、非常に重要な仕事です。

ゲームの世界観はやはり崩したくない、それでいて美少女ゲームとしての外せない部分もあります。それらを両立しキャラクターを着色するという部分にはいつも細心の注意を 払っています。
例えばキャラクターに接する小物はそういう部分が強く反映されています。
ほたるで言えば立ち絵の中にある傘、イメージビジュアルで誠が持っているティーポット、それらはなんでもない装飾品や道具で、パッと見たときに印象は残らないかもしれません。
ですが、その「印象が残らない」という部分が、ゲームの世界観を表現するという意味では重要です。
それらは無ければ問題ですし、あってもほんの少しの違和感があればそのゲームの世界観を台無しにしてしまう事があります。
いかに自然にキャラクターと一体化させ、ゲームの世界に溶け込ませるか。それが重要な部分なのです。

私たちは、その「キャラクターに接している小物」も、キャラクターの一部として捉えた上で、「道具は道具」として描くのではなく「道具はキャラクターの一部」として意識して着色しています。

そうすると不思議とキャラクターに深みが出てくるんですね、「こういう道具を自然と身に着けている、普段はこういう事をしているのだろうか? どのように暮らしているのだろうか?」と。

そのような細かい部分が積み重なることによりキャラクターイメージができ、また、背景とキャラクターの距離感が掴めるようにもなり、イベントCGやイメージビジュアルが出来上がっていくのかな、という感じはあります。

原画担当の方々がとても魅力的な原画をあげて頂いているので上手く魅せられるかどうか悩ましい日々ですが、その中でキャラの顔周りは特に気を使っています。
キャラクターによって性格も違いますし、表情も様々です。
そうなると顔周りという部分は非常に大きなファクターで、目や口元、眉毛の上がり方・下がり方、ちょっとした影の落とし方でそのキャラクターの造形が大きく変わってきます。
もちろん、そういった部分には気を付けますし、原画の絵の良さを最大限に引き上げるのが私たちの仕事ですので、プレッシャーは本当に大きいですね。
だからこそやりがいもありますし、ユーザーの皆様が「イベントCGがとてもよい」と言ってくださると満足感でいっぱいになります。

もう開発終盤に差し掛かっていますが、グラフィッカー陣一同、総力をあげて最後の追い込みにとりかかっています。
なんとか皆様にご満足いただけるものをお届け出来るよう頑張らせて頂きますので、宜しく御願いいたします!
 
 
 
■インタビューコラム「背景編」
 
アマツツミの舞台は大きな湖のある山間の田舎町、ということで風景においては高低差、
建物においてはどこか懐かしさを覚える雰囲気になるよう心掛けました。
例えば「キャラクターがそこにいる」というイメージ、曖昧な言い方ですが“空気感”をユーザーの方々に感じ取ってもらいたい、そういう意味で背景は「キャラクターをピックアップするための装置」です。
実際に自然の多い場所に行けばわかると思いますが、人と自然の間には距離があり、木や山との間には高低差があります。
その中に人が立っている。当たり前のことです。
その当たり前のことをゲームの中で表現すること、それが背景グラフィックの仕事です。

人と背景がちぐはぐになってしまわないこと、うまく背景がキャラクターに存在感を与えることができるよう背景は自然物の距離感、高低差を気にしながら描いていきます。

建物などの人工物に関してもそのキャラクターたちが住んでいる、利用しているという部分を常に意識し、背景を実際にあるもののように着色していく他、生活感も出せればいいなとは思っていますね。
そのキャラクターが生活してきた雰囲気、年数などのようにどことなく懐かしさを感じるように着色していくのは難しくもあり、そこが楽しいものだと思っています。

アマツツミの世界観は明るさの中にも神秘的な雰囲気もあり、背景の濃度が多々変わっていきます。
そんな細かいところも意識してゲームをプレイしていただけると、アマツツミの世界をより詳しく知っていただけるのではないかと思いますね。

アマツツミは世界観・キャラクター・音楽などが一つにまとまって、とても魅力的な世界を作っています。
もし、ユーザーの方々が背景からも、そのような空気感を少しでも感じていただけたら…そう思いながら今日も着色しています。
アマツツミ、どうぞよろしくお願いいたします。
 
 
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