キャラクターデザイン・原画・SDイラスト すこやかグミ



<はじめに>


はじめまして!すこやかグミと申します。

光栄にもムーン・ゴーストのキャラクターデザイン、原画、SDイラストを担当させていただきました。

これまでのPurple softwareさんの作品に出てくるキャラクターやCGはどれも本当に魅力的で、私では至らない点も多くあるかと思いますが、自分なりに色々と試行錯誤致しましたので、コンセプトなどを語らせていただければと思います。

最初にお声がけいただいて、資料を拝見した時にまず思ったのは「世界観やキャラクター設定が面白い!」ということです。概要だけでもう既にワクワクし、これは是非お手伝いさせていただきたいと思いました。
ところが、シナリオを読んでいく中で私が特に惹かれたのは、設定だけではないキャラクターの深みでした。アンドロイドに幽霊に…と、登場人物に普通の人間はいないんですが、存在しているかのように自然…という意味でみんなすごく人間らしいんですよね。

ということで、そんな自然なキャラクター達に合わせて、髪などの彩度を低めにしたり、少しリアリティのあるデザインにしてみようと考えました。
また、Purple softwareさんも御影さんも原画家の趣味嗜好をとても尊重してくださっているようでしたので、自分が好きなシンプルかつややノスタルジックなキャラクターデザインも意識しています。


<彩色について>


今作は杉87さんによる美しい背景美術も大きな魅力の1つです。
立ち絵は鮮やかな背景にキャラクターが沈んでしまわないように、陰影を大胆に入れるようにして明るさを保った彩色にしていただき、アニメのような画面のバランスを目指したことで、いい感じにまとまったかと思います。



CGもその絵柄に合わせていただいていますが、完全にアニメ塗りというわけではなく、グラデーションも豊かで、HシーンのCGではしっとりとした肌の滑らかさを感じられるような彩色になっています。
毎回仕上がってくるイラストはどれも美麗で、拝見するのがとても楽しみでした。
彩色していただいた皆様に本当に感謝です。


<セフィラの服のデザインについて>


クラシックなメイド服と執事服をベースに少しのSF感をと、部分的に彩度の高い青を入れました。
髪飾りやタイに付いている花は、カーネーションです。

髪飾りのシニヨンキャップは、その名の通り本来はまとめ髪に被せるものなのですが、未来では形骸化してただの飾りになっているという設定です。



メイド服の初期案はもっとシンプルで手袋もしていました。

ダアトとビナーの違いは履き物ですね。王道に、少女の白ソックス+かぼちゃパンツ、お姉さんのガーターベルトです!


<各キャラクターデザインについて>


・ビナー
メインヒロインということで、みんな大好きメカクレ巨乳お姉さんに。
初期案に泣きぼくろは無く、御影さんのご提案で取り入れさせていただきました。
アンドロイドにあえてのホクロというのが素敵ですね。



掴みどころがなく、基本が微笑みなので、繊細な表情の描き分けに拘りました。


・ダアト


少女体と青年体がありますので、ボディを切り替えても同一人物感が出るように特徴的なパーマヘアに。

せっかくの2ボディということで、切り替え時のギャップを楽しんでいただけたらなと髪以外は徹底的に差を出しました。
ですが、キャストさんを決める時になって「あれ?これ青年体と少女体、同じ声で大丈夫…?」と不安になっていたので、鶴屋春人さんがこの世界にいてくださって本当に良かったです。演じ分けが素晴らしすぎて…!


・人類代表

御影さんのイメージは白いサマードレスとのことだったのですが、アンドロイド達が人間にしか見えないので、キャラだけ並べてもSF作品だとわかる象徴的なデザインをと思い、近未来的にアレンジしました。そしてマリアいわく、「彼女こそが幽霊のイメージそのもの」…ということで幽霊感も少々。
最も人間なはずなのに、最も人間離れしているようにも感じる彼女…というか我々人類?…の愉快さが表現できていたらいいなと思います。

最初はプレーンなスカートだったのですが、「スリットを入れるのはどうか」とご提案いただき、私の中の「見えすぎないほうがエッチだ」という価値観と合わさった結果、部分透けスカートになりました。
透ける褐色肌、いいですね。


・姫子
絶妙な懐かしさを意識したデザインです。昭和っぽいセーラー服と半纏というアイテムを、組み合わせるとなんだか平成っぽい…!それを令和にやりたかったという…。



キャラクターの衣装に洋風、SF、和風と混ぜて世界観の面白さを感じていただければいいなとも。
姫子はその他にもコンセプトはあるのですが、ネタバレになってしまうので、プレイする中でなんとなく感じとっていただければなと思います。


・マリア
初期案では目もあって、ホラー好きな私的には可愛いつもりだったんですが、ちょっと怖かったらしく(笑)「モーニングベールを付けてみては?」とご提案いただいて、服も喪服をイメージしてこのようになりました。親しみやすく、半透明なのに存在感もしっかりあるデザインになったように思います。



シルエットがメイド服と被らないようにタイトなマーメイドスカートにしました。
パンツ案もありまして、これはマリアが生きていた時代の雰囲気をより感じられる気がしますね。


<Hシーンについて>


今作のHシーンの見どころは何といっても、主人公に男女ボディがあることによる攻め受けの切り替えではないでしょうか。
主人公の攻守が変わるということは、ヒロインであるビナーの攻守も変わるということ。
これも胸熱ですね。
青年体ではイケイケのダアト君も少女体のダアトちゃんになるとビナーにへろへろにされてしまいます。TS感もあり、百合でもあり、あらゆる癖に刺さりそうですね。



絵に関しては、平均より布面積が多めになっているかもしれません。特に百合シーン。
ダアトちゃんなんて本編でお胸が一度も出ていないせいで、特典タペストリーで1人だけ脱がされることになってますからね…。
日常やストーリーを想起させる衣服と、あられもない痴態のフュージョン(つまり着衣)をお楽しみいただけましたら幸いです。

もちろん男女では生まれたままの姿でも純愛していただいており、ビナーのなめらかなお肌や豊満なお胸はしっかり露わになっています。

私がリクエストさせていただいたビナーの別衣装やソロプレイシーンなども…!ございます…!想像の100倍のドスケベテキストを頂戴して感動しました。とってもSF(意味深)です。


<最後に>


私事なのですが、自分の趣味嗜好の根幹はアダルトゲームで構築されていると言っても過言ではなく、その原画を担当するというのは一つの大きな夢でした。
このような素晴らしい作品に携わらせていただき、関係者の皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。
長くなってしまうので、絵に関すること以外の個人の感想などはほぼ割愛させていただきましたが、あらゆるプロフェッショナルのお仕事の数々に感動しっぱなしで…。
私自身もプレイできるのをとても楽しみにしています。
プレイヤーの皆様にも今作で楽しい時間をお過ごしいただき、私の取り組みもその一助となりましたら幸いです。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。