『ハピメア』
「内藤透」は、子供の出来事を境に夢の全てを明晰夢――夢を夢だと自覚してしまうようになってしまっていた。
眠ることが休息にはならず、朦朧とした日々を過ごす透は、幼なじみの「蓮乃咲」に心身共に支えられ、時にもてあそばれながら過ごしていた。
心をすり減らしながらも、善く生きようとする透を面白がり面倒を見る科学部の先輩「弥生・B・ルートウィッジ」。
家に居場所を感じられず、ギターを片手にうろつく後輩「平坂景子」。
彼女らとの日々のさなか、透は今日も夢を見る。
けれどその日の夢は、今までとは違う夢だった。
「こんばんわ、いい夜ね」
透が明晰夢を見るようになった原因、それまで1度だって夢ですら会うことが出来なかった女の子「舞亜」が夢に現れる。
会いたいと望み続けていたけれど、会うことはないと諦めていた後悔に透が潰されそうになった時にもう一人の少女が現れ、彼の手を引く。
「きみのことを助けにきたよ!」
悪い夢を止めるためにやってきたと言う「鳥海有栖」。
ぎりぎりの淵でとどまる透の耳元で舞亜はささやく――。
「これは甘くて幸せな、悪い夢のお話」