物語
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ハピメアRE ハピメア ハピメアFD

『ハピメアFD』

「内藤透」は、子供の出来事を境に夢の全てを明晰夢、夢を夢だと自覚してしまうようになってしまっていた。

そしてある冬。
望み続けていた夢に囚われ、二度と目を覚まさないかと思われたが、過去に向き合いその「幸せな悪夢」は終わりを告げた。少なくとも、そう思っていた。

そして次の春。
透がかつて入院していた頃に友達になった女の子「鳥海有子」が、春から復学し学校に通いだすようになった。
同じ「幸せな悪夢」を見てきた咲、弥生、景子らも、有子に手を貸す透を放っておくことはなく、新たな学園生活は順調に進んでいく中。
透は1人、割り切れない思いを抱え続けていた。

舞亜への思いを自覚し、有栖と会えなくなる道を選んだ。
その選択を正しかったと信じているが、正しさだけで納得出来る訳でもなかった。
そして何より、有子に有栖の姿を重ねることは2人のどちらに対しても不義理でしかない。

いつか割り切れるだろうか、と後悔を持て余す透の前に、再び夢が迫る。

「覚めない夢はない、確かにそう言ったわ――けれど、夢をみなくなることもない」

「終わったと思った?それとも、望んでいたのかしら。後悔、それとも期待?ふふ、こんな夢ばかり見て。ほんとうにしょうがないんだから」

「これは甘くて幸せな、終わりを見に行く夢のお話」

キャラクター
有栖
咲
弥生
景子
舞亜
有子
透
鳥海有栖

冬に起きた「同じ夢を見る」出来事の中で透と心を通わせ、そして「2人」が過去ではなく未来へ進む為に別れることになった少女。
それでも互いに相手のことを忘れたり、どうでもいい存在になることはなく覚え続けている。
一度、結んだものはほどけなかった。

蓮乃咲

透達の幼なじみ。
ある出来事をきっかけに、不調を抱える透を心身共に支え続けている献身的な少女。
透を兄と呼び、困らせて楽しんだりする悪い遊びは「しょうがなくやっている」とは言うが、それを楽しめる素質も素養も元々あった。
あったからこそ、舞亜と親友だった。

面倒見が良すぎて貧乏くじを引いているのは確かだが、やっていることは性に合っているし、楽しんでもいる。

弥生・B・ルートウィッジ

透の先輩。科学部の元部長。
人目を引く、引きすぎる容姿を持て余し、心の仮面をかぶり続けてきた弥生。
最近は良くも悪くも自分の扱いが上手くなり、無理しないで猫をかぶるのが上手になった。笑顔も増えた。
身内の前では素を見せることも増えたが、甘え方が遠慮なく、なおかつ計算高く身勝手にもなってきている。

しかし、春を迎えて進級したのなら弥生は果たして何年生なのだろうか?

平坂景子

咲の同級生で学園長の姪。
家に居場所がないと感じ、相変わらず趣味のギター片手に駅前で歌っているが、最近は透の部屋や咲の所に泊まりに来るようになって、夜には1人でうろつかなくなっている。
弥生と仲良くケンカしたり、路上演奏している時に知り合った有子が復学したり、本人としては充実感が増している。

しかし父と折り合いが悪いのは相変わらずだが、最近は相手の要求が変わってきて困惑している。

舞亜

透にとって、最愛の相手。
透にとって、最大の悪夢。

冬の出来事の中で向かい合い、夜の森から帰ることが出来た筈だった。

――出来なければ、夢から覚めていないものね?

お兄ちゃんはもう、わたしがいなくても大丈夫なんでしょう?
だからこれはそうじゃない夢。残った思いや、希望や、後悔や、未練や、不安。それに愛と、嫉妬が見せる夢。みんなが見るけれど、目を覚ましたら忘れてしまう夢。

さあ、今度はどんな夢を見るのかしら?

鳥海有子

幼い頃から入退院を繰り返してきた少女。
透とは昔、病院にいた頃の友達。その縁や元々同じ学園に在籍していたこともあり、今回復学するにあたって透達のクラスに入ってくることになった。

あまり学校に通えていない為、同年代との付き合い方が分からないのもあって接点があり、病人の扱いが上手く、自分に優しい透の側を離れられない。
――本人はそれ以上の理由に、気づいていない。

ただ透が目の前にいるのに時折「自分以外の誰か」を気にしていることは感じ取っている。

内藤透

子供の頃、心が壊れかけた青年。
その出来事の後遺症として夢を見れば必ず、夢と認識してしまう明晰夢を見るようになってしまった。

透にとって眠ることは休息にはならず、心身ともに削れていったが咲や友人達の手助けもあり、助けられた分くらいは「善く」生きていこうとしている。

それは自分が過去を振り返らない為の空元気だとも自覚しているが、それも無くなってしまえば立ち上がれなくなるとも思っている。

しかし目をそらしてきた過去が、目の前に回り込んできた時に、どうなるのか。

有栖
咲
弥生
景子
舞亜
有子
透
アナザールートあらすじ

Remain ever


透が目を覚ましたのはかつて自分が見知った病院の廊下によく似た…どこかだった。
そこで透は有子と出会う。
全ては終わったはずの透の幸せな悪夢…しかし悪夢は続いていた。
有子の悪夢、目覚める事のない悪夢の扉を、透はくぐる事となる。
“三つのカギ”を手に持って——。

あなたがここにいたら


咲と結ばれ、幸せな日常を送る事になるかと思われた透。
しかし、透の表情にはどこか陰りがあった。
自身の未来、咲との未来、まだ不確定な要素はあるがトントン拍子に物事は進む。
透は思う「これで本当にいいのだろうか?」
それは未来への不安なのか、なにか過去に対して思い残す事があるのか、あらゆる想いが透に去来し、あくる日目覚めた透は“とおる”——女性の姿になっていた。
そして、慌てふためく二人の前に消えたはずの舞亜が現れて——。

もういちどのおはなし


弥生と結ばれ、普段と変わらない学園生活に戻るはずだった透。
しかし、ある日透は弥生の夢に巻き込まれ目を覚ます。
透の前のいたのは二人の弥生。
自分が告白して彼女になった後の弥生と、恋人になる直前までの弥生。
あの日、恋人になったきっかけを思えば、きちんとした“告白”ではなかったと思う。
そのわだかまりから、このようなもう一人の弥生が生まれてしまった。
透はもう一度告白をするため、恋人になる前の弥生の手を取り夢の世界を歩きだす——。

煉瓦の道をたどって


景子と結ばれ、幸せな日常を送るも、自分の夢を叶えるためひたすらに勉強に勤しむ透。
そこに親と喧嘩をしたという景子が転がり込んでくる。
喧嘩の理由は進路、親の用意した道を歩むのも嫌。
しかし、景子自身曖昧なままどうすればいいのか未来に対し漠然とした不安を抱いていた。
そんな中、夢の世界に現れた“悪い魔法使いの弥生”、弥生は透を捕らえ、景子を遠くに吹き飛ばしてしまう。
透を取り戻すため、景子の冒険が始まる——。

おはよう


全てのカギを使ったという透、なぜここに戻ってきたのかと問いかける有子。
それぞれの少女たちと幸せになった自分は“自分”で、有子と幸せになる自分も“自分”だと言う。
冷たい夢の世界から有子を連れ出そうとする透、しかし出口は見つからない。
そして、途方に暮れる二人の前に現れたのは、透の妹・舞亜だった——。