『ハピメアFD』
「内藤透」は、子供の出来事を境に夢の全てを明晰夢、夢を夢だと自覚してしまうようになってしまっていた。
そしてある冬。
望み続けていた夢に囚われ、二度と目を覚まさないかと思われたが、過去に向き合いその「幸せな悪夢」は終わりを告げた。少なくとも、そう思っていた。
そして次の春。
透がかつて入院していた頃に友達になった女の子「鳥海有子」が、春から復学し学校に通いだすようになった。
同じ「幸せな悪夢」を見てきた咲、弥生、景子らも、有子に手を貸す透を放っておくことはなく、新たな学園生活は順調に進んでいく中。
透は1人、割り切れない思いを抱え続けていた。
舞亜への思いを自覚し、有栖と会えなくなる道を選んだ。
その選択を正しかったと信じているが、正しさだけで納得出来る訳でもなかった。
そして何より、有子に有栖の姿を重ねることは2人のどちらに対しても不義理でしかない。
いつか割り切れるだろうか、と後悔を持て余す透の前に、再び夢が迫る。
「覚めない夢はない、確かにそう言ったわ――けれど、夢をみなくなることもない」
「終わったと思った?それとも、望んでいたのかしら。後悔、それとも期待?ふふ、こんな夢ばかり見て。ほんとうにしょうがないんだから」
「これは甘くて幸せな、終わりを見に行く夢のお話」